船舶解体問題
新宿のコニカミノルタプラザで開催されている
山田真さんの写真展「Ship Breakers CHITTAGONG」 に足を運んできました。
すごい衝撃を受けました。
自分は大型船舶がとても好きで、
様々な船の誕生や航行中のエピソードを見たり聞いたりしていましたが、
考えてみたら、廃船になった後については、まったく気にもしていませんでした。
今回の山田真さんの写真には、
バングラデシュ・チッタゴンで解体される
廃船となった大型船舶の姿が数多く写し出されていました。
その画には、とても言葉では表現できない
【暗(重)】 な空気が漂っておりまして・・。
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大型船舶のことが好きな理由には、こんなチッポケな人間が、
こんなにも 【華(勢)】 のある物体を生み出すとは!
という気持ちがどこかにあるからでして・・
そういった意味では、大好きなモノの見てはいけないものを見てしまった。
そんな気さえしてしまいました。
しかし、写真を何枚か見ていくうちに、
どうしてこんなに 【暗(重)】 な空気が漂っているのか?
ここには決して目を逸らしてはいけない何かがあるからではないか?
そんな気持ちが強くなってきました。
それほど、山田真さんの写真に写し出されている
廃船の姿とその廃船を解体している人々の姿は、
強いメッセージを発していました。(少なくとも、自分に対しては)
ということで、早速、廃船の解体について、いろいろと調べてみたところ、
やはりそこには大変に 【暗(重)】 な問題が存在していました。
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【バングラデシュ・チッタゴンの船舶解体場に関して】
◎山田真さんの話 - JICA-国際協力 2004年5月号より
http://www.jica.go.jp/jicapark/kokusai/0405/01.html
◎平衡感覚さん「チッタゴン、思い出つれづれ」
http://nagune.ameblo.jp/...
◎池田研一の地球中継さん
「バングラデシュ1(モンスーンの深部)」より - チッタゴンへ
http://earth-biking.bug.co.jp/diary/030708.html
◎アジア!UMEKINのホームページさんより
http://www.umekin.net/A21_31.htm
◎NHK2003年1月12日放送番組案内キャッシュ
http://216.239.63.104/...
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【船舶解体に関して】
◎Wired News - バーゼル条約、引退した船舶は「有毒廃棄物」と認定
http://hotwired.goo.ne.jp/news/technology/story/20041105302.html
~ 記事より一部を引用させていただきました ~
「『バーゼル条約』を締結した163の国と組織では今後、
このような船舶は有毒廃棄物とされることになった。」
「船には有毒なPCB、石綿、水銀、鉛、ディーゼル燃料や重油の廃油などの
危険物質が残存している。このような船舶はバングラデシュやインドの砂浜に
何百隻も引き上げられており、船舶解体業者の作業員が群がって、
船体を切り刻んで鉄を回収している。」
「今後数年間で、一重船殻(シングル・ハル)構造の石油タンカー2200隻が
廃棄される予定となっていることを考えると、
環境に優しい船舶解体は差し迫った問題といえる。」
「米国だろうと、どんな国だろうと、発展途上国を
有毒物の廃棄場にするような行為は道徳に反している。」
◎カナダの廃船が非難の的 - 有害廃棄物の国際条約を無視
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/...
~ 記事より一部を引用させていただきました ~
「廃船の多くは潜在的に危険な化学物質を船体の断熱材、
塗装、電気系統に使用している・・」
「危険な化学物質と危険な作業環境の船解所で
少なくとも1日に平均1人の作業者が死亡している。」
「船主たちがきちんとした法律がないこと及び末端での規制が緩いことを利用して、
船の生涯の最後に関わりを持たないようにしている・・」
「アリアガでは錆び付いた廃船の残骸が海岸に沿って横たわっており、
約1,200人の人々がそれらの船の解体で細々と生計を立てている。
彼らは、ほとんど着るものも身につけず、
錆びた床からの転落や破片の落下の脅威に曝され、
足場の悪いところでのガス切断作業や爆薬の仕掛けなどを行っている。
ほとんど毎日、火事の報告があり、
解体作業者は常時手足の切断や死亡事故にあっている。」
「船主がその船の最終的処理について法的に責任を問われない限り、
危険な廃船は最も規制の少ない国々に持ち込まれ、
人々と環境に対し悲惨な結果をもたらし続ける。」
◎<PDFファイル> 船舶解撤――命がけの仕事
http://www.imf-jc.or.jp/public/metal/2003_2.pdf
◎記憶の眼 - インド・アランの巨大船舶解体場(グジャラート州)
http://www2.odn.ne.jp/photoworld/kiokunome12_003.htm
◎常石セブ造船問題
http://www.asahi-net.or.jp/~km7n-kjm/Tsuneishi/reportindex.html
◎川崎汽船株式会社 - シップリサイクル(船舶の再利用)の推進
http://ecoreport.jemai.or.jp/cases/case.asp?id=639
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【写真展について】
◎scannersブログさん
http://blog.livedoor.jp/scanners_photo/...
◎++ photo of the day ++さん
http://fotolog.air-nifty.com/goatherd/...
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山田真さんのホームページは無いようなので、
今後の活動などがチェックできないのが少し残念ですが、
また何か機会がありましたら、
山田さんの視点、拝見させていただきたいと思っています。
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コメント
すっげー写真だな。ありがむらがってるみたい。この人の個展では作品集つくってましたか?こういう写真集つくりたいな。
投稿: じろさん | 2005.01.22 08:10
じろさん>
まさに働きアリでしたよ人間は。
ほかの写真も、これより度肝を抜くような光景が沢山ありました。
自分もぜひ写真集あればと思ったんですけど、
今のところ雑誌などで拝見するくらいしか
できないみたいです。
投稿: nohito | 2005.01.22 10:26
TBありがとうございました。
船舶解体について何も知らなかったので、こうしてリンクをまとめていただくととても参考になります。
ちょくちょくのぞかせていただきます。とりいそぎ、お礼まで。
投稿: ケンジ | 2005.01.23 12:46
ケンジさん>
TB返し等ありがとうございます。
この問題に関しては、労働者側の立場もあって
なかなかマスコミなどでは取り上げられないみたいですね。
それだけに、全然知らなかったので驚きました。
ケンジさんのBLOG、ぜひこれからも拝見させていただき
足を運ぶ参考にさせていただきます。(^^)
投稿: nohito | 2005.01.24 08:47
船がどんどん産まれてくる裏でこんなすさまじい世界が展開されていたのですね。知れば知るほど驚愕いたしました。
あの写真展はもっと多くの人に見られるべきだなと思います。
投稿: goatherd | 2005.01.24 23:13
goatherdさん>
本当、ぜひ色々な人に見てもらいたい写真ですよね。
自分も写真を見ただけでも衝撃だったのですが、
その後、調べて、更に驚愕してしまいました。
今回の津波での影響もメディアで伝わってこないだけに気になってしまいます。
投稿: nohito | 2005.01.25 01:02