纏向遺跡で国内最古の木製仮面が出土
奈良県桜井市の纒向(まきむく)遺跡で、
木製の仮面(弥生時代末~古墳時代初頭、3世紀前半)が出土し、
市教委が26日、発表した。
古代の木製仮面としては国内最古で、これまでの例を約400年さかのぼる。
同じ場所から木製盾の破片や鎌の柄が見つかり、
盾などを手に面をつけて踊る呪術師の姿をほうふつとさせる。
古代祭祀(さいし)の具体像を知る一級資料で、
農耕儀礼や鬼追いのルーツという見方が出ている。
仮面はアカガシ製で、縦26センチ、横21.5センチ、厚さ6ミリ。
未使用の鍬(くわ)の刃を転用したと見られ、柄を差し込む穴を口に、
柄の支え部分を鼻にしていた。
三日月形のまゆを線刻し、周りに赤い顔料がわずかに残っていた。
裏側が平らで、顔に固定するひもを通した穴もないため、
手に持って使った可能性が高いという。
鎌の柄(長さ47.5センチ、直径3センチ)と、
赤と黒で彩色した盾の破片(モミ製、長さ15センチ、幅2.5センチ)は
約40センチ上の土層にあった。
仮面より後に井戸へ投げ込まれたらしい。
市教委はいずれも同じ祭りで使われたと見ている。
これまで木の仮面は7世紀初めごろの
神戸市・宅原(えいばら)遺跡のものが最古だった。
土製では縄文時代の土偶に仮面らしいものの出土例がある。
纒向遺跡に詳しい奈良県立橿原考古学研究所の
寺沢薫・調査研究部長(考古学)の話
古くからの農耕儀礼が大和王権に採り入れられるなかで生まれた
「神の顔」をかたどったのだろう。
明確な形を持たなかった弥生の神々が、具体的観念として認識され始めたことを示す
最古の例とも考えられ、画期的な発見だ。
◎asahi.com 2007年9月26日
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