原の辻遺跡で船着き場囲む環濠を発見
長崎県教育委員会は12日、同県壱岐市の国指定特別史跡
「原(はる)の辻遺跡」で発掘された日本最古の船着き場跡の西側で、
環濠(かんごう)とみられる遺構を発見した、と発表した。
専門家らはこの遺構について、弥生時代中期前半(紀元前2世紀ごろ)、
島状に造られた船着き場を防御するための施設として、
一体的に整備された可能性を指摘。「過去に類例のない重要な遺構」としている。
県教委によると、遺構は船着き場の西側にある幅約30メートルの川の岸から
約3メートル西側で発見。幅は約2.3メートル、深さ約0.8メートル。
原の辻遺跡は居住域を取り囲む幾重もの環濠が特徴で、
今回見つかった濠も船着き場を含む区域の周囲に巡らされているとみられる。
同遺跡調査指導委員会委員長の西谷正・九州大名誉教授は
「環濠で保護されていたとすると、船着き場は一支国(いきこく)の威信を示し、
大陸からの使節らを迎える儀式の場として築かれた可能性がある」と話した。
一方、これまで判明している船着き場の東突堤部に加え、西突堤部の先端を確認。
長さはともに約15メートルで、東西対称だったことが分かった。
また、昨年、船着き場南側で見つかった導水のための石積み遺構には、
川底や斜面に石を積むなど当時、国内には存在していなかったとされる技術が
使われていることが判明。大陸の技術者の指導を受けたとみられる。
◎西日本新聞 2007年11月13日
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◎Google検索「原の辻遺跡」
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