香川の巴形銅器、福岡で鋳造
香川県さぬき市で明治時代に出土した巴形(ともえがた)銅器3点(東京国立博物館所蔵)が、
福岡県春日市の九州大学筑紫地区遺跡群で1998年に出土した
弥生時代後期(二世紀)の鋳型で鋳造されていたことが分かった。
九州大埋蔵文化財調査室が17日、発表した。
同調査室によると、弥生時代の青銅器で鋳型と製品が一致した例は
銅(どう)鐸(たく)以外では初めて。祭祀(さいし)などに使われたと考えられる青銅器が、
九州から四国へ運ばれていたことを示す物証といえる。
鋳型は石製で、全体の約4分の1が出土している。
製品は円盤に7本の脚があり、直径は約12センチ。
弥生時代に作られたとされる巴形銅器は九州を中心に全国で36点確認されている。
同調査室は今年1月に鋳型と製品を重ね合わせて、確実に一致することを突き止めた。
また、3点の巴形銅器が鋳型と一致したことから、
同じ鋳型で3回以上、青銅器を鋳造したことも確認した。
今回、判明した結果について、西南学院大国際文化学部の高倉洋彰教授(考古学)は
「九州で作られた銅矛などが四国西部で発見されたケースはあったが、
四国東部にまでモノの交流が及んでいたことを、決定的な証拠で示した意味は大きい」と指摘。
調査にあたった同調査室の田尻義了学術研究員は
「弥生時代の政治状況や経済交流が垣間見られる貴重な発見だ」と話している。
九大は今回の調査成果を九州国立博物館で
2009年1月1日から開く企画展で紹介する予定。
■巴形銅器
弥生時代から古墳時代にかけて作られた青銅器。半球状の中心部の周りに、
かぎ形の突起が渦巻き状に付いている。
甕棺墓(かめかんぼ)や古墳の副葬品として出土する例が多い。
裏側にひもを通す仕掛けがあり、古墳時代の出土例から、主に盾に装着したとみられる。
南西諸島で魔よけや火よけのため玄関につるすスイジガイと形が似ているため、
弥生時代も魔よけや敵の攻撃を避ける意味があったと考えられている。
◎西日本新聞 2008年4月18日
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