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2008.08.05

最初の星 誕生解明 ビッグバンから3億年後

ビッグバンから三億年後、暗黒の宇宙に最初の星が誕生した-。
謎に包まれた宇宙創成の様子を名古屋大と国立天文台、米ハーバード大のグループが、
精密なシミュレーションで初めて解き明かした。
一日付の米科学誌サイエンスに発表した。

ビッグバン後の宇宙は、目に見えない暗黒物質とガス(水素とヘリウム)が
まだらに漂う暗闇だったと考えられている。
グループでは、光の吸収や化学反応を正確に考慮し、
時間とともにガスがどのように星になるかを、
名古屋大の並列コンピューターで計算した。

その結果、暗黒物質の重力に引き寄せられたガスが雲状に集まって、
約三億年後、雲の中心に水素とヘリウムからなり、
核融合で光を放つ星が生まれた。

最初は太陽の百分の一の質量だが、
周囲のガスを吸い数万年で太陽の百倍に成長した。
銀河系の大きさと同じ十万光年の範囲に数十個の星ができた。

同様のシミュレーションは米国などで試みられていたが、
複雑な反応が計算できず星の形成に迫れなかった。

現在は宇宙誕生から百三十七億年。
知られている最古の天体は、
すばる望遠鏡が発見したビッグバン八億年後の銀河だ。
それ以前は「暗黒時代」と呼ばれどんな天体があったのか分からなかった。

名古屋大の吉田直紀助教は「暗黒時代の終わりを示せた。
宇宙のシミュレーション手法にも新しい道筋をつけられた」としている。

<暗黒物質> 
ダークマターとも呼ばれ、光を出さず目に見えない。
銀河の回転に重力の影響を及ぼすことから発見された。
宇宙の物質の80%以上を占める。
未知の素粒子とする説もあり天文学上の最大の謎の一つ。

◎東京新聞 2008年8月4日
  http://www.tokyo-np.co.jp/...

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