思い出の小箱（２）

３人で宿に泊まる。

その中の１人は何となく苦手な奴。

やはり宿での夜酒の力はすごい
そいつと初めて腹を割って語り合えた。

苦手解消。

清々しい朝
ここが東京都だとは思えない
朝食に出たご飯と焼き魚がこれまた清々しい
気持ちが味に伝わっている
やはり旅はいい。

また来よ。

から
一度も再訪していない奥多摩。

また行こ。

思い出の小箱（１）

愛車のブルーの自転車
補助無。

オヤジが家から出てきた
当時はパパ。

「図書館に行くぞ！」

家の前に細い砂利道がある
いつもは家から前後100mほどがテリトリー。

パパの大きい自転車の後ろに座らされたのか
自分の愛車に乗ってパパの自転車の後についていったのか
記憶がない。

何のためらいもなくテリトリーラインを越え
真っ直ぐな砂利道を走りつづける。

砂利道は永遠に続いているものだと思っていた僕は
その道に突き当たりがあることに驚いた。

突き当りには大きな建物と火の見櫓があった。

生まれて初めて見る火の見櫓は圧倒的な存在感
建物は図書館だった。

図書館の２階の窓際
大きな窓の目の前には火の見櫓がそびえ立つ
そんなシチュエーションの中
僕は紙芝居を見た
パパが読んでくれた記憶はない
僕が紙芝居を１枚１枚パラパラとめくっていた
それは確か
赤いカバーに入った紙芝居のイメージがある。

また砂利道を家に戻る。

少し上り坂になっていたような気がする。

人生で初めて冒険をした日として
僕の記憶に残っている。

おそらく２歳の時。